M24(ソーコムスナイパー)はAPSベースや各社オリジナルなどが多数発売
されています。
その中でも私が一番気に入っているのがこのPDI製M24です。
国内生産モデルと海外生産モデルがあり、工作精度の悪さや製品誤差の
悪評が付きまとっていますが良い物を手に入れて丁寧に仕上げれば抜群の
性能を発揮します。
このシリーズはレシーバー〜バレルが分割式の初期の3ピースタイプから
バレル先端からレシーバー後端までが一体となった1ピースタイプがあります。

この1ピースバレル&レシーバーが価値のある逸品でセンター出しが容易で
組み立て時のブレがないためメンテナンスのたびに狂いがでるということが
ありません。
内部構造はAPSと同じで社外品パーツも多数出ていますが、一部パーツは
専用のものが必要なので全て互換があるわけではありません。
しかし調整方法などは同じなのでAPSで実績のある方なら問題ありません。

もう一つの特徴が削り出しポリマーストックです。
通常のエアガンの樹脂製ストックは中が空洞になっていますがこのモデルは
ポリマー素材の塊から削りだしてストックを作っています。
そのため重量が非常に重く射撃時の反響音も響きません。
レシーバーやスコープ、バイポットを付けるとM60並みの重量になるので
取り回しは非常に悪くアクティブスナイパー向きではありません。
しかしこの重量のおかげでトリガーを引いたり発射の衝撃で銃がブレることは
皆無で安定した射撃が出来ます。
個人的な好みになりますが私はスナイパーライフルはある程度の重量が必要
だと考えているのでこのM24が一番頼りになります。


ピストン&シリンダーヘッド



このM24の内部パーツは全てPDIオプション品に変更されています。
その中でも特に手を入れているのはピストンとシリンダーヘッドです。
ピストンは「バキュームピストン」というPDI独自の仕組みで、ピストン中央に
穴が貫通しておりその中にゴムボールが入っています。
ピストンがリリースされるとゴムボールは穴の後方に転がって空気穴を塞ぎ
通常通り圧がかかります。
ピストンがシリンダーヘッドにぶつかるとボールが外れて後方の穴から追加の
吸気を行いバレル内BB弾後方の負圧が発生するのを防いで弾の発射を
安定させるという仕組みです。
しかし個人的にはボールが穴を塞ぐタイミングが射撃の都度微妙にずれると
弾道にムラが発生すると判断してこの機能を排除しました。
代わりに吸気穴にアルミ棒を差し込みエアダンパー機能を持たせました。
市販の4mmの棒がヘッドの穴とピッタリでシリンダーヘッドの穴とも絶妙な
クリアランスを保っています。
一方シリンダーヘッドはノズル内を絞って排気を制限しています。
これは実銃の「燃焼速度」と似たような仕組みで一気に排気するのではなく
弾が銃口から発射されるまで安定してエアを出し続けるようにすることで
少ないパワーで効率良く安定した弾道を維持するのに効果を発揮します。
真鍮パイプ等を埋め込んで現在は内径2.4mmほどになっています。
これは現在のスプリング設定に合わせて思考錯誤した結果で銃の設定に
よっても異なります。
エアダンパーによるパワーロスも考慮して設定しています。
これにより0.29gGM弾で73m/s、当チームのレギュレーションである0.8J
をクリアした0.77Jでありながら45m以上フラットな弾道を維持し、40mでは
ソフトボールクラスに集弾するようになりました。
規制前1.2Jだったスナイパーレギュレーションの時よりは大幅に射程が
落ちて電動ガンと戦うのは非常に困難になりましたが発見されにくいブッシュ
の隙間から1発必中で狩るという精密射撃としての楽しみ方も悪くありません。
電動ガンより有利な長距離から撃つという従来のスナイパーの構図は消えて
いくでしょうから限られたパワーの中でどれだけ精密に仕上げるかが今後の
スナイパーポイントになるでしょう。。


ピストンのエアダンパーとノズルを絞ったことにより作動音はかなり静かに
なりました。
空撃ちの時は弾詰まりのような音でほとんど無音に近いのですが弾を発射
すると銃口から発射音が出ます。
普通は空撃ちの方が音が大きいはずなのですが逆になっています。



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