「DSR-1(DSR-No.1)」
ARESという日本ではあまり馴染みが無い海外メーカー製のガスボルトアクションの銃です。
実銃はドイツのAMPテクニカルサービス社が開発した軍・法執行機関向けの高精度スナイパーで最大の特徴は「ブルパップ式」であるということです。
本体に二つ付いているマガジンは前側がスペアで後ろ側がメインになりチャンバーはトリガーより後方になります。
ファマスやステアー同様、発射機構を最後部に配置することでロングバレルを備えながら全長を大幅に切り詰めることができます。
この「ブルパップ」も賛否両論で好き嫌いが分かれる所ではありますがバレルと全長の関係に限定して言えば非常に合理的な銃です。
ブルパップライフルはその構造上ハンドルやエジェクトポートが顔のすぐそばに位置するため一般的なボルトアクションのように左利きの人が右側面に頬付けすることが困難です。
撃てない事はありませんがDSRはチークピースが右利き専用になっています。




このDSR-1、発表当時から非常に興味があったのですが「スナイパーライフル」である以上は手持ちの他機種と同等以上の実射性能は確保したいところです。
もちろん箱出しで使える期待は全くしていませんが手を加えるにしても最低限命中精度を上げるための潜在能力は必要です。
しかも発表時(ARES)の輸入価格は15万円前後?!、値引き実売価格を考えても安い買い物ではないので簡単に踏み出せるモノではありません(現在はS&Tブランドで5万円くらいで流通、エアコッキング版もあり)
コンバージョンKITのように「内部にマルイのユニットを組み込む」とか「マルイ○○互換」であれば前向きに検討できるので必死に情報を探すのですが出てくるのはスタイルや外装に関することばかり。
取り上げるサイトは多数あっても集弾性能や初速などの実射性能についてはコメントがないのです、というかあえて避けてる?コメントできない?という雰囲気です。
海外仕様のハイパワー版は30m先で中身の入ったコーラ缶が吹っ飛ぶムービーなどもありますがたま〜に見つかる日本仕様の初速の情報は「50m/sしか出ていない」とか「飛距離10m!」などなど・・・ グルーピングがどうのというレベルの話ではありません。
基本性能が良ければこのまま外部ソース化するお手軽な「プランA」を考えていましたがここまで初速が低いと根本的に使えない銃という可能性が濃厚になってきました。
しかし!調べているうちにインナーバレルとチャンバー(HOP方式も)がマルイ電動ガン用完全互換ということが分かり一気にやる気が加速!!
内部機構がダメでも今回の大本命、プランBの「電磁弁化」の目途が立ち、売れないゆえの値引き効果で輸入在庫の実売価格が捨て値状態までに大暴落したこともありついに作戦が始動しました。

「とりあえずは基本性能チェック」
そのまま使うつもりは無いもののやはり気になる基本性能。
先に結論を言いますが「全く使えません!」
間違いなく電動ハンドガンの方が圧倒的に有利です、私が購入したモノは最大飛距離3m!ほとんどが銃口からポロ玉が落ちるという状態で初速を測りたくても測れませんでした。
どうやら運が良ければ初速50m/sくらいの物に出会い、ちょこっと手を加えれば80m/sくらいまで出せる場合があるようですね。
箱出しで使うことを考えている人は非常に危険な賭けで笑えないので絶対にお勧めしません。
どうしても、というのであれば確実に調整されて現物確認&保証のあるショップでの対面販売をお勧めします。


「根本的に何が悪い?」
このままプランBに突入してもいいのですがせっかくなので「何が悪い?」までは確認しておきます。
初速が極端に低い理由として考えられるのは排気量不足と気密不良があります。
まずは空撃ちでマズルから出てくる排気を確認しました。
すると意外にも十分すぎるほどの気化ガスが噴き出してきます、単純なチェックですがどうやら放出バルブの口径や開放には問題無さそうです。
ハイダーを外してインナーバレルの先端を指で塞ぎながら空撃ちしてみると何の抵抗も無く銃の本体内部でガスが抜ける音がします。
どうやら不調の原因は気密不良のようです。
さらに調べていくと気密不良はマガジンの放出口とボルトの間にあることが分かりました。
ほとんど無抵抗にガスが抜けるくらいスカスカです。
インナーバレルの先端〜チャンバー〜ボルトまでは全くエア盛れが無く完璧な気密が取れているのも確認できたのでプランB成功の期待はさらに高まります。

 これがDSRのマガジンです。
ちなみに1個約500gでスペアと合わせると1Kg超になります。
標準装備ではこれが2個銃に装填されます。
銃本体も金属多用で重いのでまるでダンベル状態です。
 基本構造はタナカと同じで銃本体のボルトからバルブノッカーが下がり、バルブを押して放出されたガスがボルトを通過してチャンバーへ送り込まれます。
 気密不良はこのマガジンの放出口(マガジンリップ後方の穴)と本体のボルトとの間で発生していました。
放出口の出っ張りはスプリングで出入りします。
可動部分はOリングが入っていて放出口以外の気密は取れていました。
 試しにボルト単体を軽くマガジンに乗せて気密チェックをすると全く問題がなかったのでボルト側のパッキン形状や放出口には問題ないようで原因は発射状態での2点の位置関係にあるようです。
 色々と試してみるとボルトハンドルを戻す角度を微妙にずらすと気密が取れるポイントがあることが分かりました。
しかし別のマガジンにするとそのポイントも変わるのでハンドルが止まる場所を調整するのは解決策になりません。
 マガジン側放出口のOリングを太い物に変えて嵩上げし、ボルト側パッキンとのクリアランスを狭くすると気密は上がりましたがボルトに干渉して動きが渋くなったりもう一つのマガジンは嵩上げしても効果が無かったりで根本的な解決策にはなりませんでした。
放出口に水彩絵具を塗って装填し、ボルト側パッキンへの付着状況から気密を確認してみると二つのマガジンそれぞれがセンターがずれて異なる部分に隙間が開いていました。
つまり特定のマガジンでの解決策を取っても別のマガジンでは効果が無く共通の解決策にはならないという結論になりました。
DSRはバレル〜ボルトまでが収まるアッパーレシーバーとマガジンが固定されるロアレシーバーの上下二分割を合わせているのでこの部分の「合わせ」の誤差や組み付け精度の違いも不良が発生する原因になっているようです。
アッパーレシーバーにマガジンを直接固定する構造であればこのような症状は出なかったのかもしれません。

この銃は外装部分はとても凝っていて細部まで丁寧に造られています。
バレル周りのグレーの塗装が安っぽい(画像はブラックに塗装済み)ですが部品レベルで見た工作精度は悪くありません。
内部機構に関する所はとても手抜きでインナーバレルはアウター内で全くのフリーでガタガタでした(後で改修済み)
つまり部品を製作加工する職人さんの腕は良くても設計者にガスガンの知識が乏しくタナカやKJ辺りを見て適当に内部構造を考えたのでしょう。
ただ巷の話ではフレームとフロント周りのつなぎが「への字」だとかインナーバレルが湾曲していた、なんて話も聞きますのでやはり現物確認が大前提のようです。

あと、ノーマル状態での作動音・発射音についてですが「とてもうるさい」です。
銃口から発するムチを打つような音はいただけません。
かなり大きな音で気密が取れた場合の発射後の余分なガスがさらに音を大きくしているようです。
半端なサイレンサーではカバーしきれないので排気調整が必要でしょう。
次に、トリガーを引いた時のボルト内部のストライカーやバルブノッカーの金属打撃音は強烈で何の消音処置もしていないエアコッキングライフルの方が断然静かです。
試しに打撃部分にソルボセインを貼ってみましたがほとんど効果がないのでこの部分の消音化は極めて困難だと思います。
金属のかん高い音は空撃ちするだけで「ここですよ〜」と分かるくらいです。
ガスを入れて撃とうものなら確実に位置がばれてその独特の音で誰なのかもアピールしてしまうのでスナイパーにとっては致命傷ですね。
お座敷シューターなら逆に雰囲気があっていいでしょうがフィールドで撃つと聞きなれた電動ガンの方が静かに感じるでしょう。

いずれにしても「一筋縄」には行かない難易度が超高い代物なので購入予定者は十分警戒してください。

「トリガーフィーリングの悪さ」
「弾を撃ち出す」という根本に欠陥があることは分かりました。
もしかしたらロットによってはたまたま合わせ具合が良くて正常に発射できる物に出会うかもしれませんがそれ以外にも問題があります。
それは「トリガーフィーリング」です。
トリガーフィーリング(トリガーの重さ、ストローク、切れの良さ、タイミングなど)は正確な射撃を目的としたスナイパーライフルでは命中精度を左右する重要な要素になります。
気密の良し悪しは製品によって差があるかもしれませんがトリガーフィーリングの悪さはDSRの構造上の問題であってどの製品にも共通する問題だと思います。

画像はロアレシーバー内部のトリガー機構になります。
トリガーの回転運動は水平運動に変換されてスライドバーへ繋がります。
スライドバーが後方のシアユニットに伝達されてシアが下に下がる動きに変換されます。



【トリガー部分】


【リア部分(シアユニット)】


分かる人はこれだけでトリガーフィーリングの悪さが分かると思いますが「運動方向の変換」と「抵抗」があまりにも多すぎるのです。
特にシアユニットに関してはかなり無理な形状で運動方向の変換が行われます。
各パーツの研磨や調整で多少は改善できてもAPSなどのような良好なフィーリングにすることは不可能です。

「プランB始動!!」
では本命の「プランB:電磁弁化計画」を始動します。
とはいえこんな銃を電磁弁化して使おうなんておバカさん、そうそういないでしょう。
ここで詳細を紹介しても参考にする人もいないでしょうから細かな部分は省略します。

では電磁弁化計画を大ざっぱに紹介します。

1.前後のマガジンをダミーとし、そのスペースを使って電磁弁や制御回路を収納する。

2.ボルトに接続するチューブがコッキング操作の支障とならないようメインマガジン内にチューブの移動スペースを確保
  このため電磁弁ユニットはフロントのスペアマガジン内へ収納、これに伴いエアホースは一度フロントへ入り電磁弁を介してリアに戻る構造になります。



エアタンクからのホースをダイレクトにフロントのマガジンへ繋げば片道で済みますが前方にホースがブラブラするのは嫌ですし内部パーツを露出させるのも避けたかったので何とか内部に収めました。

・(ボルト周辺):ボルトにあるエアルートのパッキンは6mmホースがジャストフィットでした。
 ただしそのままボルトをコッキングすると広いエジェクトポート内をハンドルが自由に動いてレシーバーの内側でホースを擦って傷めてしまうので可動範囲を制限するためのベアリングを取り付けました。
これでコッキング時にホースを傷めない所で確実に停止すると同時にベアリングの効果で非常にスムーズな操作が可能になりました。
ホースが擦れる事は無くなったのですが一応保険でホース保護用のスプリングを被せています。



ここまでの加工でボルト操作は6mmホースが付いていることを全く感じさせないスムーズな操作が可能になりました。
ストライカーのスプリングすら撤去して無くなっているのでハンドルに指先をタッチさせるだけで軽くコッキングできます。
しかし新たな問題が発生です。
あまりにも抵抗がなさすぎるため銃を傾けるだけでボルトが動いてしまうのです。
左に90度寝かせるとハンドルが起き上がり銃口を上げるとコッキング、逆の動作で発射状態になるという「ハンズフリーコッキング」
さすがにこれでは困るので適度なロック機構を持たせることにしました。
セレクタレバーなどが定位置で止まる「クリック感」、あれと同じようにスチールボールをスプリングで押さえるようにしました。
ただしセレクターと違ってボルトが後退すると下に何も無くなってボールが抜け落ちてしまうので「2段堀り」にしてボールがギリギリ抜けないように加工しました。
ハンドルが定位置で止まるようボルト側にも窪みを作りました。
レシーバー上部は肉厚が薄く、スプリング穴をネジで塞ぐ余裕がないのであっさり適当なプレートで蓋をしました。
これも原形が知られていないので「何でもアリ」です。
これでスムーズなコッキングを維持しつつ止まるべき所できちんと止ります。


・(電磁弁):使用した電磁弁は定番の「VQZ332−6G−C6(6mm:DC12V)」です。
 これを角型9V電池で駆動します。

・(ホース):当初取り回しを考慮して4mmホースも検討してテストしましたがサブタンクを持たないダイレクト配管のためエア流量が足りませんでした。
予想はしていたので予定通り6mm仕様にしました。

・(スイッチ):制御回路は微弱な電流しか流れないのでスイッチは極小の物でも使用できますが確実な作動とメカニカルな感触を生かすためにローラー付きの大き目な物を選択しました。

・(フロントスペアマグスペース):電磁弁本体が収納されます。


3.今回導入した制御回路は未使用時も微弱電流が流れるのでセーフティーも兼ねてON・OFFのスイッチを付ける(電池を外すのが面倒なので)
  スペース的に前方配置になるのでリード線も後部から前部への往復配線となります。
  これでトリガーを機械的にロックする純正のセーフティーと回路の電源を電気的に遮断する2重ロックになりました。


4. マガジンの加工
マガジン外装を固定式のダミーとしたことで本来上部から出し入れするBB弾用マガジンが交換できなくなります。
これを加工して下から装填できるようにしました。
本当であればマガジンキャッチ機構は内側に収めたかったのですが内側スペースがギリギリなので表に付けました。
部品はすべてあり合わせですがキッチリ機能していて操作性も悪くありません。
ゴツい造りですが原形を知る人がいないから何でもあり的なノリです。
  

メインマガジン部分にはエアホース、制御回路、電池が入ります。


純正のマガジンスプリングは非常に固く、弾を5発も入れるとノズルを強力に圧迫してコッキングが極端に重くなります。
当然次弾に致命的な傷を付けてしまうのでAPS2用マガジンのスプリングをカットして流用しました。
さすが名門APS2だけあって絶妙なテンションは給弾不良を一切起こさず弾も痛めません。
このマガジンはフォロアーが付いているのでローダー無しで簡単に給弾できますがこの部分も純正スプリングでは指が痺れるほど重かったのが楽に給弾できるようになりました。


上:純正スプリング

下:APS2スプリング(これを同じ長さにカット)










5.インナーバレルとチャンバーの変更
チャンバーブロックの造りに若干不満はありますが純正パッキンは悪くないようです。
そのままでも良さそうですがせっかくなので「電気くらげ」に変更しました。
インナーバレルは外観はきれいですが内部をチェックするとかすかにムラが確認できました。
電動フルオートならそのまま使うレベルですがとりあえず手元に昔ボルトアクションで使っていたライラクスの600mmがあったので交換しました。

6.ハイダーの変更(サイレンサー装着)
電磁弁化で銃本体の作動音は皆無になりバレルからの排気音だけになります。
さらにこの排気音を抑えるためにハイダーを外してサイレンサーを装着します。
アウターバレルは14mm正ネジですが先端部分の外装が邪魔するのでバレルジャケット等で延長しなければ外径28mm程度の物しか付きません。
KMやライラクスのスリムサイレンサーはそのまま付きますが消音効果が少ないので内部の吸音材を改良しています。





これでDSR-1電磁弁化が完成です!

「実射テスト」
およその設定や調整が整うまではかなりの捨て弾を撃つことになるので価格の安いマルイ0.3gを使用して二次圧力、放出時間の調整、初速・ホップ調整などをおこないました。
最終調整は通常使用する高精度弾(0.28g)で行い現時点での最適な設定は二次圧力0.28Mpa 初速73m/s、0.77Jとなりました。
初速が低いと思う人がいるでしょうがチームレギュレーションはオール0.8J、いつものフィールドでのパワーはこれで十分なのです。
パワーで見かけの精度を上げるのは簡単ですがパワーを抑えて精度を上げるのは大変です。
でも同レギュの電動ガンよりどれだけ差が付けられるかという所にもこのジャンルの楽しみ方があるのです。

放出時間は可能な限り絞りましたが若干長いようで弾が銃口から出た後も少し余分な排気が出ています。
もう少し時間を絞りたいのですが電磁弁の性能上これ以上短くできないようです。
この電磁弁は構造上開放のレスポンスは良いのですが閉鎖は少し遅れます。
バルブを直接駆動する電磁弁であればもう少しレスポンスが上がるのでしょうが銃に収まるコンパクトタイプは排気量が落ちるので仕方ないところです。
しかし600mmのロングバレルをフルに使ってじっくり加速するのでわずか0.3Mpa未満で0.8Jが出せます。
M24に採用した「遅延燃焼効果」と同様に弾が出るまでエアーで押し続けるので高圧を瞬間的に噴き出す仕様のエアコッキングライフルや電動ガンとは弾の飛び方が違って「スローなのに伸びる」といった感じです。
燃費はBULL01に一次圧1.5Mpaまで入れると250発程度撃てました。
不要な放出時間をカットできればさらに燃費向上と発射音の低減ができるでしょうが今のところこれが限界です。

グルーピングは屋外40mの射程で10cmのターゲットに命中率ほぼ50%、外れてもサッカーボール大には収まるようです。
できる限り風が無い時を狙って撃ちますがやはり屋外ですから若干は空気の動きはあるでしょう。
弾が0.29gとはいえ初速が70m/sちょっとに抑えてあるのでわずかな風の影響も出てしまう事を考えればひとまず成功かなと思います。
電動フルオートとスナイパーの差はこの40mを通過してからどれだけブレずに伸びるか?にあります。
0.8J以下でも0.9J並みかそれ以上の「プラス0.1Jの射程」を持たせるのをスナイパー製作の楽しみにしているのでこのDSRはエアコッキングではできなかった領域のセッティングができそうでとても楽しみです。
現在は仮のバレルやパッキンですが個人的に実績を確認している物があるので交換してさらに性能UPを検討していこうと思います。


「外装のギミックについて」

【バイポット】
DSRのバイポットは俗に言う「吊り下げ式」です。
通常のバイポットは銃の底部に取り付けて脚の上に銃を乗せたようになりますが重心が高いので不安定な場所では銃を常に支えなければなりません。
この吊り下げ式は重心が低く安定しているので手を放しても倒れません。
さらに左右水平方向や左右ロール、バイポットベースセット位置の前後調整、引くだけで足が伸びてワンタッチで縮むという超多機能です。
未使用時は本体に沿わせて畳むことができます。



【バランスウェイト】
フロントの重心を好みで調整するウェイトでボタン一つでスライドレールの任意の場所にセットできます。
ウェイトの下にはレイルが付いているのでライトやレーザーなども装着できます。
私はフォアグリップを付けていますが前後位置を簡単に調整できるのでとても便利です。


【ストック・チークピース】
チークピスはボタン操作で飛び出します。
一応5mm刻みくらいで微調整ができるようになっていますが実際には収納状態と全開状態しか使わないでしょう。
ストックはグリップ状になっていて射撃姿勢時に左手でしっかり握ることができる優れた形状です。
伸縮機能、バットプレートの上下、グリップ下からは2段階の足が出ます。
この足が大変高機能で細い方はバイポッドのように簡単に出し入れと調整ができ、太い方はストッパー解除で一気に伸ばすのとネジ式ダイヤルで無段階に微調整ができます。
前後の脚をフルに使って調整すると銃は完全に自立で固定されます。
無段階に向きを修正できるのでスコープやホップの調整、精密射撃にとても有利な機能です。


【スコープ】
DSRには標準装備でスコープと専用マウントが付属します。
スコープはノーブランドですが某有名メーカーのレプリカです。
フロント口径50mm、チューブ30mmで発光サイトとサイドフォーカス、状況に応じてレティクル調整が可能なダイヤルと機能は盛りだくさんです。
視界も広く明るいのでオマケと侮れない豪華なスコープです。
しかし専用マウントはリフト50mmで個人的には高過ぎと感じます。
フロントにある可変バイポットベースに視界が干渉しないようにという配慮なのかもしれませんがそれでも30mmで十分です。
ちなみに手持ちのリフト20mmを付けてみましたがバイポットベースがレンズに干渉しても視界には何も映りませんでした。



「他の銃との比較」
単体の画像では銃の大きさをイメージするのが難しいので他の銃と並べてみました。
手前はHK416でフロントがショートになっているのでM4より10cm程度短くなっています。
奥はM24で6cmのサイレンサーが付いています。
DSRもフロントをサイレンサーに変えているので純正より3cmほど長いです。



いかがでしょうか?
M24より20cm程度短いのですがインナーバレルは逆に20cm程度長いのです。
これがブルパップのメリットですね。
バレルが長い=当たるというのは迷信でたとえバレルが数センチのクルツでも調整されていれば同じ射程でヘッドショットが可能です。
しかし一発必中の信頼性やグルーピングを集中させる等、さらにハイレベルな領域をローパワー&ロングレンジで実現させるには長いバレルの特性を生かしたセッティングが必要です。
強力な排気を一瞬で放出して弾を押し出すのではある程度のレベルから先へ行くことはできません。
弾が銃口を出るまでの必要最小限の排気と排出時間などがバレルの長さとバランスを取った時に良い結果が出ます。
その点ではとても有利なDSR-1、とりあえずの電磁弁化と応急処置的なセッティングでしたがハイレベルな性能を発揮し非常に魅力的な一丁に変身しました。
まだまだ潜在能力が眠っているのでじっくり仕上げていこうと思います。


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