【M4 Baby (VFC) 】
VFC製コンパクトM4で「M4Baby」「BabyM4」「M4ES」などと呼ばれています。
マルイ完全互換ですが内外全てVFC製となっています。
もちろん外装はオールアルミで定評のあるVFCというだけあり工作精度が非常に高く全てのパーツが
無理なくキッチリと組み込まれています。
削り出しのエッジもしっかりしていますが安価な中華製のように「怪我しそう」な粗さは全くありません。

セット内容はトップ画像のフォアグリップが無い状態にPEQ15型のバッテリーケースが付属します。
バッテリーは付属していないので内臓可能なバッテリーを調達するか他の電源を準備する必要があります。
TORYタイプのフロント&リアサイトも標準装備です。

フレーム後部はスイベルとキャップになっています。
PDWのようにバッファー関連が移設されていない標準形状のM4ボディーなのでこのようなスタイルは
できないのでは?というツッコミはやめておきます。
小さければいいんです!


最近の海外製M4の標準装備ともいえる「ボルトストップ」も機能しています。
ダミーボルト&チャージングハンドルは必要量しか後退しませんがきちんと止まってくれるので
HOP調整がとても楽です。
リリースすると擦れる感じも全くなく「パチン」とスムーズに閉鎖します。
安価版は動きが渋い物もありますがさすがVFCという感じです。


ド迫力のハイダーもアルミ削り出しです。
ベースは14mm逆ネジなので他のハイダーやサイレンサーも使えます。


こちらは付属のバッテリーケースです。
軽量な樹脂製でニッケル水素ならミニサイズセルの8.4Vまでが入ります(9.6Vは入りません)
なお、IREからはこのケース用のLiPoバッテリーが発売されています。
9.9Vで900mAhなので回転数やスタミナも申し分ありません。
何より軽くてコンパクトなのでいいですね。


【実射性能】
初速は国内向けに80m/sに設定してあるということで実際に測定してみてもほぼ80前後でした。
スプリングはカットされた物ではなく前後の末端処理がきちんと施工されていたので日本向けに
製作した専用スプリングのようです。
適当なスプリングカットやノズルの穴あけなどのいい加減なパワー調整をしていない所もVFCの
こだわりが感じられます。
ホップのかかりも素直で有効射程距離もフルサイズのM4と互角です。
ショートバレルですが集弾性能も良好で30mで上半身は確実に狙えるので実用性は十分です。
メインアームとして通用する性能を持ちながら小型軽量なためスナイパーのサイドアームとしても
非常に心強いです。
MP7やスコーピオンでは心細いという方にはお勧めの一品です。

性能上の不具合はありませんが気になる部分もあります。
それはピストンの打撃音とスプリングの振動音です。
ショートバレルにアルミのピストンヘッドの組み合わせなので非常に激しい音がします。
消音化して使うスタイルではないですしガスブローバックのように音で威圧とするという効果も
期待できますが独特な「パチーンッ!」という音はレギュオーバーのハイパワー銃を思わせる
「疑惑の音」と取られかねません。
それと撃ち終わった時にスプリングから出る「バィ〜ン!」という音は何とも安っぽいエアコッキング
のような感じです。
どちらも実射に影響はありませんが何か対策をしておきたい部分です。


【分解編】
実射性能に不満は無く、箱出しでも十分使えるのですがやはり「音対策」はしておきたいので
分解ついでに内部チェックもしてみました。

 フレームロックピンは実銃のように定位置までで止まるように
 なっています。


 










 ギアは全て削り出しの強化版で外装同様非常に
 精度の良い仕上がりです。
 タペット駆動部分はセクターチップ付きでスパーと
 セクターギアはシム調整不要のスプリング付き、
 べベルはベアリング内臓とてんこ盛りです。










 シリンダーは黒っぽいコーティング(不明)にスリット付き
 ですがこのバレルの長さであればもう少し前よりでも十分
 だと思います(通常のM4仕様です)

 タペットプレートは透明のポリカ製。
 強度があり歪みも少なく信頼度は高いです。










 これが打撃音の原因、アルミピストンヘッドです。
 8ホールの後方吸気にベアリング付きですが、この
 サイズの銃にはちょいと過剰な気がします。
 フルサイズM4用メカボックスをそのまま使っていると
 いうことなのでしょう。
 










 メカボの側面から逆転防止ラッチが解除できます。
 海外製オリジナルメカボックス採用の機種は解除レバー
 などが標準で付いていますがマルイ完全互換の場合は
 このように作業用穴が付いていたりラッチのシャフトに
 マイナスドライバーで回せる溝が付いていたりします。

 セレクタープレートはプレスのスチール製、軸受は全て
 メタルです。
 8mm径なのでベアリングを付けるときは8mm仕様が
 そのまま使えます。
 しかしメタルのままでも非常に滑らかに回るのでわざわざ
 ベアリングに変える必要はなさそうです。

 

インナーバレルもタイトな高精度な物が使用されており、総合的に見て特に「これでなければ」というこだわりの
パーツでもない限り何も交換する必要がありません。
内外装全てが高価な社外品で組んであるような物なのでマルイベースで同じ物を作るととんでもない
高額になります。
これが安いところでは3万円以下で入手できるので大変お買い得ですね。
これをベースにストックやサイレンサーを付けてカービンタイプにするのも面白いかもしれません。

【音対策】
気にならない人は全く関係ありませんが、やはり気になる打撃音とビビり音対策をしました。
(打撃音対策)
近距離やサイドアーム的使い方がメインなので消音というより「疑惑の音質」を変える程度で十分です。
シリンダーヘッドにソルボセインを貼り、ピストンの停止位置が後方にずれるのでクラッシュ防止に
ピストンギアを1枚半カットしました。
これで「普通」の電動ガンの打撃音になりました。
(スプリングのビビり音)
使用されているのはかなり強めのスプリングで全長が通常の3分の2程度の長さでした。
初速は80m/sと低めですがストロークが短いのでビビり音が大きくなっています。
これをフルサイズで弱めのスプリングに変えます。
屋外だけなら80m/sでも良かったのですが80m/s未満のインドアでの使用を考えるとギリギリは
レギュチェックで引っかかる可能性もありますし、接近戦での相手へのダメージを考えて最終的に75m/s
に設定しました。
スプリングのストロークが十分あるのでビビり音は無くなり、負荷を落としたので回転数もかなり上がりました。
LiPoバッテリーとの相性も良く非常に切れとパンチのある作動になりました。


【完成形】
コンパクトさを生かした片手撃ちではM4純正タイプのグリップは細くて安定感がありません。
ここは慣れているマグプルグリップへ交換しました。
あとはフォアグリップ、C-MORE、マグプルスイベルを付けて完成です。
通常はシングルポイントのスリングで使用しますが私の場合、スリングにもう一つフックを付けており
携行時は銃のフロント側もスリングに止めて2点支持で銃がブラブラしないようにしています。
フルサイズでもこの方法にしていますがなかなかお勧めですよ。








【ストック取付】
KAC-PDWよりコンパクトではありますがやはり安定射撃のためには何らかのストックは
欲しいところです。
と、いうことでLR用の折りたたみストックを付けてみました。
本来はフレームのストックチューブ取付箇所をカットしなければなりませんが元々ショート化
されているのでポン付けでOKです。
ただし純正のスリングスイベルはストックを畳んだ時に干渉してしまうのでマグプルのアンビ
タイプに交換、固定ボルトも十分な長さがある物を使用しました。

ロック&解除もしっかりしています。
オールアルミ製なので見た目の割に重量増加がわずかなので取り回しの影響は気になりません。


開くとこんな感じです。
ありそうでなさそう(実在しませんが)な外観が面白くないですか?



畳むとこんな感じです。
従来のコンパクトさは損ないません。


畳んだ状態を上から見た状態です。


マグプルのアンビタイプスイベルならストックに干渉しません。


【おまけ】
長目のサイレンサと30連タイプのマガジンにしてみたら立派なカービンになります。
これでサブマシンガン用のケースに予備マグと一式が収まるので携行性抜群です。


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